介護生活の悩み
介護破産の危機!親の介護費用はどうする?

介護破産の危機!親の介護費用はどうする?

「脳卒中になった」「転んで怪我をして寝たきりになってしまった」親の介護が必要な状態というのは唐突に訪れるものです。

しかし何の準備もなく、介護をしなければいけなくなってしまうと、介護のための費用で困ってしまう危険性があります。

このページでは、介護にかかる費用はどれくらいなのかを、在宅介護の場合と施設に入居してもらった場合にわけて説明しています。また、介護費用の節約方法なども解説しています。

在宅介護の費用ってどれくらいかかる?平均的な金額は?

在宅介護の場合、以下のような費用が必要になります。

  1. 訪問介護サービス利用料。
  2. デイケアサービス利用料。
  3. 消耗品購入費(オムツ等)。
  4. 福祉用具(車椅子等)の購入費またはレンタル費用。
  5. 家のリフォーム費用(バリアフリー化など)。
  6. 医療費。

どの項目においても、基本的には「要介護度」が高くなるにつれて、必要な費用も増加していきます。また、要介護度が低くても、認知証の場合は必要な費用が高くなります。

在宅介護にかかった費用のアンケートでは、毎月「8万円」程度がかかったという結果が出ています。

月ごとの介護費用が8万円だとして、介護にかかる合計費用はどれくらいになるのかしら?それがわかれば準備もしやすいと思うのだけれど。
介護をおこなう期間の平均は、「59ヶ月」程度であるというデータがあります。つまり月額費用を合計すると、介護が終了するまでに、平均で「472万円」ほどのお金が必要になるということですね。
ぜんぶで500万円近くもかかるのね……。
月額費用のほかに、初期費用もありますよ。初期費用は、平均で「80万円」ほどとなっています。介護が終わるまでに、合計で550万円程度のお金が必要になる計算ですね。

訪問介護サービス費・デイケアサービス費

要支援か要介護の認定を受けると、介護保険による訪問介護サービスを受けられます。また、デイケアセンターに通って介護を受けることも可能です。

これらのサービス費の自己負担額は、1割(状況により2割や3割も)ですむため、受けられるサービスのわりには、費用を安く抑えられます。

ただし、介護保険によるサービスは、以下のように上限額が決められています。上限額を超えた分は自己負担となってしまいます。

要介護度 利用上限額
要支援1 50030円
要支援2 104730円
要介護1 166920円
要介護2 196160円
要介護3 269310円
要介護4 308060円
要介護5 360650円

老人ホームに入居した場合はどれくらいの費用がかかる?

在宅介護ではなく、施設介護を選ぶ場合、「有料老人ホーム」「グループホーム」「特別養護老人ホーム」などがあります。

施設種類 月額費用 入居難度
有料老人ホーム 10~40万円 低い
グループホーム 15~25万円 普通
特別養護老人ホーム 10~13万円 高い
やはり在宅介護と比べると、毎月の費用がだいぶ高くなるのう……。
たしかにそうですが、この月額費用には、家賃や食費なども含まれているという点には注意してくださいね。在宅介護の平均月額費用には、食費などは入っていませんから、両者を比較するときにはその点も考えなくてはいけません。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、高齢者向けの施設としてもっとも一般的なものでしょう。自立生活が可能な人から要介護度が高い人まで、さまざまな人に適した施設が存在しています。

有料老人ホームの弱点は、初期費用としてかなりの額を要求されるというところです。初期費用が1000万円を超えることも珍しくありません。

グループホーム

グループホームは、認知症高齢者が少人数で暮らす施設です。月額費用も比較的安めで、初期費用も敷金程度しかかかりません。

グループホームの問題点は、認知証の診断を受けている人しか入れない事です。認知証以外の人は、最初からグループホームという選択肢はありません。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特養)は、民間施設である他の老人ホームとは違い、公的な福祉施設です。公的施設であるために、費用が安くなっています。

ただし特養は、入居が難しいという問題があります。入居待ちがいる場合が多いため、入ろうと思ってもすぐに入れるとは限りません。

介護費用を節約するためにすべきこと

40歳になると、「公的な介護保険」に自動的に加入することになっています。そのため、介護保険を利用しなければ損です。

介護保険を利用するためには、要介護認定の申請をして、要介護者だと認めてもらわなければいけません。

手続きが面倒だと思われるかもしれませんが、介護保険を利用すれば自己負担額を1割程度にまで減らせますので必ず申し込みましょう。

高額介護サービス費制度

1ヶ月の介護費用が一定以上の場合、上限を超えた分を払い戻してくれる制度があります。それが「高額介護サービス費制度」です。

自己負担の上限がいくらになるかは、本人や世帯の収入により15000~44000円まで幅があります。

ただし以下の費用については、高額介護サービス費制度を利用できません。

  • 福祉用具購入費(車椅子等)。
  • 家のリフォーム費(バリアフリー等)。
  • 施設での食費や家賃など。
  • 要介護度ごとの限度額を超えた自己負担分。
すごい制度ですね!つまり介護費用が月に100万円かかっても、最大で44000円の支払いですむってことですよね?
違います。あくまで、介護保険内でかかった費用についてだけです。たとえば要介護5なら上限は360650円ですから、1割負担で36065円の支払いです。この金額だけが高額介護サービス費の対象になります。介護に100万円使ったなら、残りの639350円についてはそのまま自己負担となります。

医療費控除

介護サービスの費用は、医療費控除の対象に出来る場合があります。以下のようなものは、医療費控除に入れることが可能です。

  • 訪問介護・訪問介護。
  • デイサービス。
  • 特老の介護サービス費と入居費、食費の半額。

お金がない人は親の介護にどう備えればいい?

親の介護をするだけでも子供には大きな負担になります。それに加えて介護にかかる費用まで払うと、負担が大きくなりすぎてしまいます。

介護費用は、親自身の年金や資産でまかなうのが理想です。

そのためには、親の経済状況を把握しておく必要があります。話しにくい内容かもしれませんが、親が元気なうちに預貯金の額や、介護費用をどうするか相談しておきましょう。

介護費用は親の金で、ですかい。なんだか親不孝な気がするけど、その方が賢いんでしょうね……。他にやっておいた方がいいこととかありますかね?
民間の介護保険に入っておくというのも良いかもしれませんね。そうしておけば、親の介護が必要になっても、経済的負担を軽減できますから。

慌てずにすむよう介護計画は早めに立てよう

介護にかかる合計費用は、平均で500万円を超えます。そのため、きちんと準備をしておかないとお金の用意に困ってしまう可能性があります。

また親の介護が必要になったら、要介護認定の申請をする、医療費控除を利用するなど、費用をなるべく抑えられるようにさまざまな制度を利用していきましょう