保険の仕組みと種類を解説!知らないと損する保険の基礎知識
自分にもしものことがあったらと心配になり、保険の加入を検討しはじめた人もいるのではないでしょうか?
今回は民間の保険の仕組みやどんな種類があるのかを、初心者の人にもわかりやすく解説していきます。難しくて区別しにくい用語もしっかりと覚えていきましょう。
家族のために万が一に備えておくと精神的にも経済的にも不安を抑えることができます。まずは保険について詳しくなり、健康な状態のうちに保険加入について考えてみてくださいね。
もしもに備えるために、保険の仕組みと必要性を知ろう
保険は病気やけがに関する医療保障、万が一亡くなった時に関する死亡保障に対する保障のことです。もしもの事態に備えられるという預金にはないメリットがあります。
保険に加入すると契約者は定期的に保険料を支払います。各加入者から集められたこの保険料は責任準備金となるのです。
責任準備金は契約者が保険会社に支払った資金(保険料)のことであり、保険会社が運用しています。保険料から保険会社の利益が引かれたものが責任準備金です。
保険の加入者が入院したり亡くなったりしたときには、この責任準備金から保険金・給付金が支払われます。
6つの民間保険の種類と特徴を比較
保険にはさまざまな種類があります。保険の特徴をチェックして自分に必要な保障を見つけましょう。
- 生命保険(死亡保険)
- 医療保険
- がん保険
- 学資保険
- 就業不能保険
- 個人年金保険
1.生命保険(死亡保険)
一生涯保障が続くものもあれば、一定の期間に設定できるものも。代表的な生命保険の種類には「終身保険」や「定期保険」があり、万が一亡くなった場合や高度障害になった場合には家族が保険金を受け取ることができます。
「生命保険(死亡保険)の種類を解説!読めばわかる仕組みと選び方」の記事で詳しく解説しています。
2.医療保険
ケガや病気をしたときに入院費用や手術費用に備える保険です。設定した日額に応じた、入院費または手術の給付金が支払われます。手術の種類によっては保障されない場合もあるので注意しましょう。
もし身体を壊したときに医療保険で費用をまかないたいと考えている人は「医療保険とは?必要性や選び方(終身・掛け捨て)をわかりやすく解説」の記事を参考にしてくださいね。
3.がん保険
医療保障の中でも「がん」に特化した保障となります。はじめてがんと診断された時には一時金を受け取れる保障も備わっており、保険会社によっては「上皮内がん」にも対応したがん保険商品もあります。
医療保険との違いや保証内容の選び方については「がん保険の必要性と最適な選び方!終身と掛け捨ての違いとともに解説」の記事をチェックしてみてくださいね。
4.学資保険
子どもの将来のために貯蓄する保険です。子どもの進学に合わせて満期を設定することができ、教育費に備えることができます。学資保険とセットで医療保障を付加できるものもあります。契約者(支払者)が亡くなったときの保険料免除があることも特徴です。
学資保険はお子さんの年齢や人数によって契約内容が難しくなるもの。「学資保険とはどんな保険?必要性や加入にまつわる疑問を解決!」では、よくある質問を解決できるようケース別に記事をまとめています。
5.就業不能保険
就業不能保険は長期の療養でかかる入院費用や治療費に備えることができます。保険料は掛け捨てですが、安いのが特徴です。保険金は分割して毎月受け取ることができます。多くは父親や一家の大黒柱が加入を検討する保険です。
就業不能保険自体については「就業不能保険とは何か?なぜオススメなのか分かりやすく解説」の記事で詳しく解説していますよ。
6.個人年金保険
20歳から加入できる保険で積み立てる年金です。公的年金である国民年金や確定拠出型年金などの私的年金とは別で貯蓄することができます。加えて個人年金保険は「生命保険料控除」として所得控除の対象となるんです。
個人年金保険に加入するメリット・デメリットは「個人年金保険の仕組みを解説!」でしっかりとまとめています。
保険に加入する前、保険を見直す前に知っておきたい基本的な用語
保険に加入する前に基本的な用語を覚えましょう。
告知
保険の加入前に保険会社へ健康状態や病歴、職業を知らせることをいいます。告知によって保険の審査がされます。嘘の告知をした場合は保険契約が取り消しとなります。
解約返戻金
積立のある保険を解約した時に保険会社から支払われる保険金のことをいいます。基本的には契約してから年数が経つほど解約時の返戻率が上がり、受け取れる保険金が多くなります。
責任開始日
保険会社が保険金や給付金の支払いなどの責任を開始する時のことをさします。責任開始日と申込日は異なるので間違えて覚えないように注意しましょう。がん保険などは一定期間の免責期間が終了してから開始されます。
払い済み保険(払済保険)
解約せずに保険料の支払いを途中で終了させることです。つけていた特約は払済保険に変更することで消滅します。保険金額は下がりますが、残しておくことができます。
いまの生活が苦しく出費を少しでも減らしたいという人は検討しても良いかもしれませんが、払済にすることでメリットと同時にデメリットも発生します。次の記事も参考にしてみてくださいね。
一時金
保険金や給付金などと同じ保険会社から支払われるお金のことです。条件を満たした時に一定の金額を受け取ることができ、入院日数に関わらず決まった金額なので長引くほど損してしまうデメリットもあります。
特約
主契約につけることができる保障です。主契約がなければ特約はつけることはできません。生命保険に関する特約以外にも請求手続きに関する特約などもあります。付けると保険料が高くなるので厳選して付加する必要があります。
共済
共済はJAやコープなど地域の人々と相互扶助の精神で助け合うことで作られた保険です。意味としては「保険」と同じ考えで大丈夫です。
上記の用語はどの保険商品でも共通して使われる言葉なのでしっかりと頭に置いておきましょう。
わかりにくい保険の用語と区分を知りましょう
続いて似たような保険の用語の区分について詳しく説明します。
「終身保険」と「定期保険」
終身保険も定期保険も同じ死亡保障の保険となります。ただし保障期間が異なり、終身保険は一生涯の保障で定期保険は期間が決められています。
定期保険は年齢が高くなると保険料が高くなる特徴があります。
長い間死亡保障が欲しいのであれば、保険料が変わらない終身保険を選ぶと良いでしょう。
それぞれの保険については記事で詳しく取り上げています。
「終身払い」・「有期払い(短期払い)」・「一時払い」
終身払いはその名の通り被保険者が亡くなるまで払込を続けるということ。終身保険や医療保険など一生涯の保険に利用される払込方法となります。
次に有期払い(短期払い)は保険の保障期間よりも先に保険料の支払いが終わる払込方法です。終身払いより短期間で保険料の支払いが終了するため保険料は高くなります。
一時払いは積立がある保険に利用され、保障期間の保険料をまとめて契約時に支払う払込方法です。
似たような言葉で「前納」というものがありますが、一時払いは未経過分の保険料が戻ってきません。
「掛け捨て保険」と「積立保険」
掛け捨て保険では支払った保険料は戻ってこないのが特徴です。解約返戻金や満期もありません。
代表的な保険の種類には定期保険のほかに、医療保険・収入保障保険にも掛け捨て保険は存在します。
一方で積立保険は保険料が貯蓄されていくのが特徴であり、積み立てられた分は保険金や解約返戻金として戻ってきます。終身保険や養老保険などが積み立て型の保険の代表例です。
保険料は掛け捨ての方が割安となっていますが、保険商品によっては保険料が上がってしまう恐れがあるのがデメリット。
2つの保険の違いについては次の記事でわかりやすく解説しています。
保険の必要性と加入や見直しのタイミング
保険の加入や見直しをするべきタイミングとして以下のようなイベントがあげられます。
- 結婚
- 妊娠
- 子どもが生まれた時
- 離婚
- 住宅の購入
- 子どもの自立
子どもが生まれると学資保険に加入することができます。学資保険に加入して子どもの医療保障を備えたり教育資金を貯めることを考えなければいけません。
避けて通りたいライフイベントとなりますが、もしも離婚してしまった場合保障はあまり必要がなくなるので無駄に保険料を支払うことのないように減額する必要があります。
そして保障内容だけではなく保険金の受取人なども配偶者にしている場合には変更する必要があります。
子どもが自立した時に関してもあまり大きな保障は必要がなくなります。そして自分の老後に備える必要があり、40代頃には個人年金保険などで貯蓄をしておくことを検討しても良いでしょう。
保険料は年末調整・確定申告での生命保険料控除の対象となる
保険料は控除の対象となります。保険料控除には3種類の項目があり、保険の種類によって項目が異なるので注意しましょう。
一般生命保険料控除 | 終身保険・養老保険など |
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介護医療保険料 | 介護保険・医療保険・がん保険など |
個人年金保険料 | 個人年金保険など |
控除には限度額がありますが、節税対策として活用することができます。加入している人はしっかりと申告しましょう。
会社員の人は年末調整で保険料控除の申告をします。申告書の書き方については、下の記事を参考にしてくださいね。
保険を学んで上手に活用していきましょう
どの商品もメリットやデメリットはあります。それぞれの保険のしくみを知ってライフプランにあったものを選んでください。
わからないことがあった時には契約している保険会社やファイナンシャルプランナーといった専門家に相談してみてください。加入して安心するだけではなく、定期的な保険の見直しも忘れないようにしましょう。