投資信託の初心者必見!仕組みと特徴からわかる賢い投資信託の始め方
先行きが不透明な今の時代、老後の生活を年金だけに頼るのは危険かもしれません。安心な老後を送るためにも、将来に備えて若いうちから資産を蓄えておいた方が良いでしょう。
経験豊富なベテランであれば、おすすめの銘柄などもわかるのでしょうが、投資を始めたばかりの初心者ではどこに投資をすれば良いのかわかりませんし、資産は分散した方が良いと言ってもやり方がわかりません。
まだ初心者で投資についてよくわからないというのであれば、まずは投資信託から始めてみましょう。
今回は投資信託とは何か、その仕組みはどうなっているのか、メリットやリスクはあるのかなど、その特徴についてわかりやすく解説します。
金融機関が販売している金融商品の一つ、投資信託とは?
投資の世界でよく話題になる投資信託とは、一体何なのでしょうか?
金融機関が販売している金融商品の一つで、証券会社などを通じて売買ができます。
投資信託では、投資家が直接資産を運用する必要がありません。投資家がファンドマネージャーなどの専門家に資産を投じると、その専門家が資産を運用し、利益を求めることになります。
この専門家が資産運用に成功し、利益を増やすことができると、投資信託の基準価額が上がります。もしくは分配金が発生します。
投資信託では「基準価額の上昇」もしくは「分配金を目的」に投資をすることになります。
購入した投資信託の基準価額が上昇した後に売却すれば、キャピタルゲインを稼ぐことができます。売却せず、分配金が出るまで保有を継続すれば、分配金という形でインカムゲインを稼ぐことができます。
この分配金を投資信託に再投資をすると、分配金が発生する度に投資信託を追加で購入することができます。分配利回りの高い投資信託に再投資をすると、複利効果をより効率よく働かすことができるでしょう。
自分で銘柄を見つけないといけない株式投資と違って、投資信託なら経済の動向や企業に関する知識がなくても気楽に投資を始められますよ。
投資信託における基準価額とは?
投資信託には各銘柄に基準価額があります。
基準価額とは、それぞれの投資信託の価格のことで、1口もしくは1万口あたりにおける価格を基準価額とすることが多いです。基準価額は次のように算出されます。
投資信託は、この基準価額で売買されるのです。
基準価額が安い時に投資信託を購入し、基準価額が高くなってから売却することで、利益を得ることができます。
長期保有するともらえる分配金とは?
分配金は、投資信託の分配可能原資の中から決算後に投資家に還元されるお金です。
銀行の金利などと違い、分配金は投資信託の運用によって利益が出た分だけ還元される仕組みとなっています。そのため、運用の成果が良ければ分配金が上がりますし、成果が悪いと分配金が減ることもあります。場合によっては分配金が出ないこともあります。
分配金がいくらになるのかは、その時の運用実績の状況によって変わるので、正確なところはわかりません。ただ、過去の分配金の実績を参考にすることで、ある程度の予測をたてることができます。
投資信託の仕組みとは?利益は?コストは?
投資信託は、購入したからといってすぐに利益が出るものではありません。投資家から預かったファンドが、そのお金を株や債券、リートなどに投資をし、その運用によって利益を得て、それを投資家に還元させてはじめて運用に成功したと言えます。
これが株式投資の場合、投資家が直接株式会社に投資をします。投資された株式会社が事業に成功するなりして株価が上がる、もしくは配当金が出ると、株主の利益になります。
株を購入し、それを長期保有しても、手数料がかかることは基本的にありません。しかし、投資信託を購入する場合、保有している期間に応じて信託報酬がかかります。
他方で、投資信託を購入すると、定期的に分配金がもらえるなどのメリットがあります。分配金利回りが高い投資信託ともなると10%を超えるほどで、株の配当金以上の利回りが期待できます。
投資信託の特徴とメリットとは?
投資信託の特徴は「資産の運用をプロに任せられる点」にあります。この特徴が投資信託のメリットにつながっていくのです。
- 初心者でも始められる
- 分散投資でリスクを軽減できる
- 少額からでも始められる
初心者でも始められる
投資信託は運用をプロに任せられるので、投資をするにあたって運用先についていちいち調べる必要がありません。
なんとなく日本の経済が好調らしいと感じているのであれば、日本株をターゲットにしている投資信託に運用を任せれば良く、安定した利回りを求めているのであればリートや債券をターゲットにしている投資信託を選べば良いだけ。
投資信託なら自分で業界について学ばなくても、投資を始めることができます。
分散投資でリスクを軽減できる
次に分散投資ができるという点に関してなのですが、投資信託を購入すると、その資産を元手にファンドは様々な株や債券、リートを購入することになります。
投資信託は一つの銘柄が複数の運用商品で構成されているため、その中の一つがダメになったとしても、資産が分散されている分、受ける被害が少なく済みます。
少額からでも始められる
最後に投資信託の3つ目の利点なのですが、投資信託は少額からでも購入可能です。証券会社によっては100円からでも投資可能なほどです。株と違ってわずかなお金でも運用を始められるので、余剰資金を運用に回しやすいという利点があります。
投資信託のデメリットやリスクとは?
分散投資がしやすいなどの利点がある投資信託ですが、他方でデメリットやリスクもあります。
- 元本割れのリスク
- 信託報酬がかかる
- 分配金が出ると基準価額が下がりやすい
投資信託を購入する際には、必ず元本割れのリスクがあることを理解しておきましょう。しかし投資信託に限らず、あらゆる金融商品に元本割れのリスクはあります。
信託報酬は投資信託の保有期間中に発生するコストです。期間に応じてコストがかかるので、長期にわたって投資信託を保有するつもりなら、信託報酬に注意しましょう。
また投資信託には分配金がもらえるというメリットがあるのですが、分配金を出すと投資信託の純資産額が減ってしまいます。基準価額が下がりやすいため、分配金が発生する直前に投資信託を購入すると、分配金発生と同時に基準価額が落ちる恐れがあります。
基準価額が落ちるというデメリットがあるため、投資信託の購入は基準価額が下落するまで待つか、もしくは分配金を再投資するなどの対策が求められます。
投資信託はメリットとデメリットを踏まえた上で、運用することが非常に重要です。初心者の人は「投資信託を始める前に必読!知っておくべきメリット・デメリット」の記事がおすすめですよ。
投資信託で必要になる手数料
投資信託をするには手数料が必要です。主な手数料は次の3種類。
- 信託報酬
- 購入手数料
- 信託財産留保額
投資信託を保有中に発生する手数料で、投資信託の運用にかかるコストです。
基本的どの投資信託にも、信託報酬はありますので、購入時には必ず信託報酬がいくらになるのかを確認しましょう。
投資信託の購入時にかかる手数料です。購入金額の数パーセントが手数料として発生します。
購入手数料が無料の投資信託もあるので、必ずしも発生する手数料とは限りません。
投資信託を信託期間中に換金した時にかかる手数料です。投資信託の売却手数料とも言えます。投資信託を途中で解約すると、様々な費用が発生します。
この費用を他の投資家が負担するとなると不公平となるので、投資信託を途中解約すると基準価額に対して数%が引かれます。
ただし投資信託によっては信託財産留保額がかからない銘柄もあるので、購入手数料と同様こちらも必ずしも発生するとは限りません。
意外と簡単!投資信託の始め方
投資信託への投資を始めるにあたり、これといって面倒な手続きは特にないです。
まず投資信託を取り扱っている証券会社の口座を開設し、そこから目的の投資信託を購入すれば、投資信託を始められます。
証券会社の口座は、身分証明書とマイナンバーがあれば、すぐにでも開設できるでしょう。オンライン申込に対応しているネット証券会社なら、ネット上より申し込むことで、すぐにもで手続きを始められます。
口座を開設したら、どの銘柄に投資をするのか選びましょう。口座開設後、定期的に投資信託を購入し続けることで、投資信託の積立を行えます。
投資信託はいくらから始められる?
投資信託は、始めるだけなら100円からでもできます。
100円から購入可能な証券会社を選択すれば、わずかな資金からでも投資信託を始められます。
ただし、すべての証券会社が100円からの購入に対応しているわけではありません。できるだけ少ない額から投資を始めたいという方は、少額投資ができる証券会社を選びましょう。
買い方と買えるまでの流れ
投資信託を買う場合、まず購入に必要な資金を証券会社の口座に入金します。次に、買いたい銘柄を選び、購入のための手続きを始めます。
欲しい銘柄を見つけたら、購入したい数量を決め、購入の申し込みをします。
購入の申し込みをすると、だいたい数日ほどの時間がかかります。およそ3営業日も経過すれば、購入の手続きが完了し、指定した数量分の投資信託を保有できます。
購入から保有までに時間がかかるため、注意しましょう。
基本的な用語解説を含めた買い方の流れは、「投資信託の買い方の流れを解説!銘柄の選び方や購入のタイミングも」で紹介しています。
証券会社は手数料と取扱本数をチェック
投資信託を購入するなら、手数料が安く、取扱本数が多い証券会社がオススメです。
- SBI証券
- マネックス証券
- 楽天証券
例えばSBI証券やマネックス証券、楽天証券の3社は本数が多い上に、手数料も安いのオススメです。
投資信託の運用にあたって
投資信託といっても、その本数はとても多いです。投資信託の運用を始めるにあたり、一体どの銘柄を選べば良いのでしょうか?
銘柄選びで迷ったら、第三者のアドバイスを聞いてみると良いでしょう。例えば、ロボアドバイザーを利用すると、客観的なアドバイスをもらうことができます。
運用成績の高いロボアドバイザーを利用すると、初心者でもリスクが低く、なおかつリターンの多い運用を始められます。
投資信託の種類と運用について
投資信託といっても、銘柄によって種類が違いますし、運用も異なります。一体どのような種類があるのでしょうか?
投資信託の種類というと、株や債券、不動産、そしてこれらを複合したファンドなどがあります。バランスファンドともなると、株や債券、不動産など、様々な資産を対象に投資をします。
株についても、国内株と米国株、新興国株などに分類することができます。それは債券や不動産も同様です。
- 株(国内・海外)
- 債券(国内・海外)
- 不動産(国内・海外)
- コモディティ(金・原油)
- その他
このように、どの資産を対象に投資をするかで、投資信託を種類分けすることができます。さらに、運用方針でも種類分けができます。
インデックスファンドはコストが安く、リスクが低い反面、リターンが少ないというデメリットがあります。アクティブファンドは、手数料が高い反面、リターンが大きいというメリットがあります。
ETFやJ-REITとは?
ETFとは、上場投資信託のことで、株のようにリアルタイムに売買ができるなどの特徴があります。
投資信託は確かに証券会社で販売されていますが、非上場のため、リアルタイムな売買ができません。しかし、上場しているETFならば、常に市場価格で売買ができる他、信用売りができるなどのメリットがあります。
J-REITとは、マンションやビルなどの不動産を対象にした金融商品で、投資家より集めた資金で不動産を購入し、そこから入った賃貸収入や売却益を投資家に分配することで利益を還元します。
証券取引所に上場しているため、誰でも自由にリアルタイムな価格で売買ができます。さらに、少額からでも不動産に投資ができるなどのメリットがあります。
投資信託の選び方とは?
投資信託を選ぶ際には、過去の運用実績や分配金、ここ数年における基準価額の動向などを調べてからにしましょう。
利回りが高く、尚且つコストが安い投資信託がオススメとなります。
過去の動向や利回り、コストなどの情報は、交付目論見書や運用報告書などを閲覧することでチェックできます。
たとえ分配金が出なくても、価格の上昇率が高い投資信託なら、将来の値上がりが期待できるので、やはりオススメとなります。
投資信託説明書(交付目論見書)や運用報告書とは?
投資信託説明書(交付目論見書)とは、ファンドの目的や特徴、投資のリスク、運用実績、手数料などの内容が書かれている書類のことで、投資家であれば誰でも閲覧可能です。
運用報告書とは、決算を迎える毎に作成される書類のことで、投資信託を購入後にどのように運用され、そしてどのような結果になったのか、運用の成果が書かれています。
交付目論見書や運用報告書を読むことで、そのファンドはどのような銘柄なのかを知ることができます。
投資信託の買い時と売り時
投資信託を購入する場合、保有すると利益が出ると思うのであれば、それが買い時となります。その反対で、これ以上保有すると、利益よりも損失の方が大きくなると判断できた時が売り時となります。
売り時で悩んでいる人は「投資信託の売り時は?売却のタイミングと知っておくべき注意点」で売り時を見定めるポイントをチェックしてみてください。
投資信託と税金の関係
投資信託を購入し、運用に成功すると、利益が出た分だけ税金が発生します。
税金が発生したとしても、必ずしも確定申告が必要とは限りません。状況次第では確定申告が不要になることもあります。
投資信託ではいつ税金が発生する?
投資信託を購入した場合、いつ税金が発生するのでしょうか?
前提として投資信託を購入しても利益が出ていないのであれば、税金はかかりません。投資信託の税金は、売却益が生じた時と、分配金が発生した時にそれぞれ生じるからです。
なお、税率は20.315%となります。
確定申告の必要性と流れ
投資信託で税金が発生した場合、確定申告の手続きが必要になります。ただし、分配金しか利益が出ていない場合は、必要はありません。というのも分配金の税金は、分配金が出た時に源泉徴収されるからです。
確定申告が必要になるケースというと、投資信託を売却した時に利益が出た場合です。
確定申告が必要になった場合、まず証券会社から年間取引報告書をもらってください。次に、税務署などで確定申告の手続きを済ませます。この時、用意した書類を添付して提出しましょう。
確定申告の作業が完了後、税金を納めれば、税関係の手続きはすべて終了となります。
投資信託で税金を収める方法や確定申告については「投資信託で確定申告は必要?知らないと損する税金のルール」で詳しく解説しています。
確定拠出年金や少額投資非課税制度を活用しよう
できるだけ税金を安くしたいと思うのであれば、iDeCoや企業型DC、NISA、つみたてNISAなどを始めてみましょう。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 企業型DC(企業型確定拠出年金)
- NISA
- つみたてNISA
iDeCoや企業型DCに加入し掛け金を拠出することで、掛け金が全額控除の対象となります。「確定拠出年金」に対して、NISAやつみたてNISAは所得控除が受けられるわけではありません。
NISAやつみたてNISAの場合、投資によって生じた運用益に対する税金が、非課税になります。ただし、NISAなら年間で120万円まで、つみたてNISAなら年間で40万円までなど、非課税の枠には上限があります。
iDeCoや企業型DC、NISA、つみたてNISAを上手に活用することで、より投資効率の高い資産運用を始められるでしょう。
プロに運用がお任せできる!投資信託をはじめてみよう
投資信託は株式投資と違って資産運用をファンドマネージャーなどのプロに任せられる金融商品です。
初心者でも、プロ同様の手法で運用ができるというメリットがあります。他方で、信託報酬がかかるなど、他の投資にはないデメリットがあります。
投資信託にも、様々な種類があるので、購入する際には慎重に選びましょう。どうやって運用すれば良いかで迷ったら、ロボアドバイザーに相談するのも一つの手です。
購入したい場合は、まずは証券会社の口座を開設しましょう。この時NISA口座などを同時に開設すると、税金を抑えた資産運用を始められます。