売れない土地を売る方法!売れない理由や売れないときの対処法も解説
当記事では、売れない土地の特徴から「あなたの土地が売れない理由を見いだすヒント」を記載しました。
また「土地を放置するデメリット」「なんとか売る方法」「売れない場合の処分方法」についてもまとめましたので、土地が売れなくて困っている方にぜひ読んでいただきたい内容です。
【売れない土地の4つの特徴】あなたの土地が売れない理由は?
詳しくみていきましょう。
法規制のかかる土地は、買主が自由に扱えない!売主がしっかり調査を
売りたい土地に法規制がかかっている場合、売却のハードルが一気にあがります。
とくにチェックしたい法規制は、「都市計画法」です。
無秩序な市街化による環境悪化と、公共投資の非効率化を抑止するための法律。
都市計画法で「市街化調整区域」とされた土地は、原則として建物が建てられません。
昔からの建物がある場合でも、解体すると新しく建てられない場合もあります。
農地および採草放牧地の取扱いについて定めた法律。農地を他の土地に利用目的を変えて売却する場合、自治体の許可が必要となる。
農地の売却について詳しくは、次の記事も参考にしてみてくださいね。
ちなみに「雑草が生い茂っている」「粗大ごみが埋まっている」など土地の状態が悪い場合も、扱いづらいと判断され売れない可能性があります。土地は放置するとすぐに汚れてしまうため、定期的な状態チェックが必要です。
人口減少で需要がない土地は、高値の売却よりも早期の売却を念頭に
土地自体に需要がないことも、売れない理由のひとつです。
日本の人口は、数年にわたって減少しています。令和元年2月の直近1年間のうちに、日本の人口は約40万人も減りました(総務省)。
とくに地方は都心に比べても人口減少が著しいため、そもそも土地の需要がなく買い手がつかないこともよくあります。
需要のない地域にある土地の場合、高値よりも早期の売却を念頭におきましょう。
プロの不動産会社といえど、販売戦略を誤る事も!定期で契約見直しを
多くの場合、土地の販売戦略を立てるのは不動産会社です。
不動産会社の販売戦略が適切でないと、土地はなかなか売れません。
販売方法は、折込チラシの投函や不動産ポータブルサイトへの掲載などさまざま。地域や土地によって適した方法は変わるので、不動産会社によって結果が異なることもあります。
売れない土地は、売却希望価格よりも大幅な値下げが必要な場合がある
土地売却において、価格設定は非常に重要です。
適切な土地の売出し価格でないと、なかなか売れません。
土地の価格には、次の4種類があると言われています。
1.売却希望価格 | 売り主が希望する売りたい価格。 |
---|---|
2.査定価格 | 不動産会社などが土地を査定した際に提示される価格。 |
3.売り出し価格 | 土地を売り出しているときの価格。 |
4.購入希望価格 | 買主の購入希望価格。 |
5.成約価格 | 実際に取引されるときの価格。 |
売れない土地の場合、売主よりも買主の希望優先が多いです。
そのため、売り出し価格が買主の意向から遠ければ遠いほど、売却が長引く可能性があります。
次の章にまとめましたので、一緒にみていきましょう。
売れない土地を放置すると、手間はもちろん余分な税金を払う可能性も
土地は売れないからといって、放置をしてはいけません。
土地を放置すると、次のようなデメリットがあります。
詳しく、みていきましょう。
売れない土地でも、管理は必須!怠ると損害賠償につながる恐れも
使っていない土地の管理を怠ると、損害賠償につながる恐れがあります。
管理されていない土地には、トラブルが起こる可能性が。雑草が生い茂るだけでも、害虫の発生や放火などのリスクがあるのです。
売れない土地を放置し続けると、固定資産税で資産は減り続けます
土地を所有し続けるかぎり、固定資産税の支払いは必須です。
不要な土地だからといって未納が続くと、土地のほか預金など他資産を差し押さえられる可能性があります。
そのまま放置すれば倒壊など保安上危険、または衛生上有害となる恐れのある空き家、管理不足により著しく景観を残っているなどの状態にある空き家のこと。
通常、住宅用の土地には固定資産税を軽減させる特例が適用されます。これを住宅用地の特例といい、固定資産税は3分の1にまで軽減されるという仕組みです。
さらに200㎡までの小規模住宅用地なら、固定資産税は6分の1にまでなります。
特定空き家に指定されるとこれらの特例が適用されないので、使用時と比べて土地の固定資産税が最大で6倍にアップするのです。
住んでいなくても定期的にメンテナンスをしていれば、特定空き家に指定されずに済みます。遠方で管理ができない場合は、管理業者へ依頼する方法もありますが、いずれにしても費用はかさむでしょう。
土地にかかる固定資産税の計算方法は「土地の固定資産税の計算方法やしくみを図解でわかりやすく紹介!」の記事を参考にしてください。
空き家に関しては、次の記事にも詳しく掲載しています。確認してみてくださいね。
ただし生活に必要のない土地は、売却するよう指導が入ります。売却益が出れば保護で受けた金額を返還する必要があり、高く売れた場合は生活保護を受けられなくなる可能性があります。
土地が売れないまま3カ月経ったら、試してみたい3つの改善策
3カ月以上たっても売れない場合は、次の方法を検討してみましょう。
詳しく解説していきます。
どんな土地でも不動産会社の腕が悪いと売れない!契約見直しも検討を
土地が売れない理由には、不動産会社が原因の場合も。実際の販売戦略は不動産会社が立てます。
そのため売れない状態が続いているにも関わらず、不動産会社からも何の改善策が出ない場合は、不動産会社の変更も検討しましょう。
不動産会社に土地売却を依頼するには、媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約を結ぶことで「仲介サービスの内容」「仲介手数料」などが明確になり、売主と不動産会社の仲介トラブルの防止に繋がります。
媒介契約は「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類。次のような違いがあります。
専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
---|---|---|---|
不動産会社 | 1社のみ | 1社のみ | 複数可 |
レインズの 登録義務 |
5日以内 | 7日以内 | 任意 |
販売活動の 報告義務 |
週1回以上 | 2週に1回以上 | 任意 |
レインズとは、業者同士で不動産の販売情報を交換できる、ネットワークシステムです。レインズに登録された物件情報は全国すべての不動産会社に共有されるため、広範囲で買主を探せます。
媒介契約については、次の記事も参考にしてください。
また各不動産屋には「賃貸の仲介」「都市開発」など、それぞれ得意とする分野があります。
土地の売却をおこなう場合、売買物件や土地の仲介業務を得意とする、不動産屋を選ぶことが大切です。
一括査定サイトを利用すれば、土地の査定額を複数の専門的な目線で見ることができ、また不動産会社の得意不得意、対応の良し悪しなども比較できます。
一括査定サイトについては、「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選してご紹介!」でも詳しく紹介しています。
売れない土地を早く売りたいなら、値下げも検討を!価格設定は慎重に
売れない土地を早く売るには、値下げも大切です。
いくらに設定すればよいかわからない場合は、まず価格相場を調べてみましょう。
売りたい家や土地の相場は、インターネットの不動産情報サイトを使って調べられます。
家や土地の相場を調べられる情報サイトは、次のとおり。
サイト名 | 情報内容 |
---|---|
レインズ・マーケット・インフォメーション | 近隣物件の成約価格 |
不動産取引価格情報検索 | 近隣物件や土地の成約価格 |
国土交通省地価公示・都道府県地価調査 | 国や都道府県が公表する全国の地価 |
不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホーム、HOME’Sなど) | ・近隣物件や土地の売出価格 ・全国の土地の価格相場 |
それぞれのサイトの活用方法は、次の記事を参考にしてください。
また不動産会社への相談も大切。不動産の一括査定サイトを通じて、複数の査定額を調べるのも良案です。
状態が悪い土地は、整地などをして改善!早く・高く売れる可能性も
土地売却前の整地には、次のようなメリットがあります。
- 買い手がつきやすくなる
- 高値での売却が期待できる
整地したキレイな土地は、建築など次工程への着手が容易です。また「きちんと管理されている」ことが見た目でわかりやすく、買主に好印象を与えます。
買主は少しでも扱いやすく価値のある土地を買いたいため、売却前の整地によって早期かつ高値での売却が期待できるのです。
売却前の整地については、次の記事も参考にしてみてくださいね。
そのほか、「確定測量や地盤調査をして近隣や地盤トラブルがない土地だと証明する」「広大な土地は分筆して扱いやすい面積にする」といった方法も有効です。
また使っていない農地の場合は、宅地などへの「造成」も検討しましょう。
造成費用は100坪で200万円~500万円と高額ですが、宅地の方が売りやすいのであれば、造成する方がよいこともあります。
造成に関しては、次の記事でも詳しく掲載しています。田んぼなどの農地を所有する方はとくに、確認してみてくださいね。
売れない土地の扱い方は3つ!土地活用・寄付・相続放棄
売れない土地の扱い方には、次の方法があります。
詳しくみていきましょう。
売れない土地は、まず土地活用の検討を!田舎の土地でもチャンスあり
土地が売れない場合、まずは土地活用ができないか検討してみましょう。
ただし売れないほどの土地なので、可能な土地活用方法にも限りがあります。
たとえば次のような活用ができないか、検討してみましょう。
- 太陽光発電
- 資材置き場
- 老人ホーム
これらは需要の少なそうな田舎の土地でも、可能性がある活用法です。うまくいけば、想像以上の収益を得られる可能性もあります。
次の記事に詳細がありますので、ぜひ確認してみましょう。
自己資金なしでプロと土地活用をするには、「土地信託」という方法もあります。詳しくは次の記事を参考にしてくださいね。
売れない土地は寄付(無償譲渡)も可能!ただしハードルは高い
土地が売れなければ、寄付(無償譲渡)をするという方法もあります。
土地の寄付で一番可能性があるのは、隣人への寄付です。
隣人であれば、「事業拡大したい」「子どもが住む土地を近くにほしい」などの理由で、寄付を受けてくれるかもしれません。一度声をかけてみてもよいでしょう。
寄付先 | 注意点 |
---|---|
国や自治体 | 使用目的がなければ、寄付を断られる |
個人 | 寄付を受けた個人に贈与税がかかる 所有権移転登記に費用がかかる |
法人 | 寄付をした側に所得税と住民税がかかる※ 所有権移転登記に費用がかかる |
いらない土地の寄付については、こちらの記事「【いらない土地の処分方法:寄付】贈与税など税金の支払いに注意」でも詳しく掲載しています。
売れない土地は相続放棄をすれば捨てられる!ただし注意点も多数あり
・預金など、他の資産もすべて放棄が必要※
・放棄をしても管理責任は残る
・相続順位の順に、土地の相続権が移る
また、相続放棄したあと土地がどうなるのかも重要。これには相続順位が大きく関わってきます。
たとえば親から土地を相続する場合、優先順位の高い相続人が相続放棄すると、相続権が優先順に「子→親の親→親の兄弟」と移ります。
そのため誰もその土地がいらないのであれば、全員がすべての相続を放棄する必要があります。
兄弟間や親戚間できちんと話し合い、合意のうえで進める方がよいでしょう。
まずは土地が売れない理由をしっかり調査!専門家への相談も忘れずに
地主は早く手放したいと、焦ることもあるでしょう。
しかし土地売却は慎重さが必要。事を急いてしまうと、余分な出費が必要になるなど損をすることもあります。
売り主として自分でできる調査や手続きなどは積極的に行い、関係者ときちんと相談し合うことが大切です。
また不動産会社や不動産コンサルタントなど、専門家への相談もしっかり行いましょう。あなたに合う専門家が見つかれば、売れない土地でもきっとよい扱い方を発見できます。
当サイトでは土地売却に限らず、不動産売却の流れや空き家、マンションについてなど不動産分野の情報を幅広く扱っています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
土地神話という言葉が使われなくなってから20年以上たちます。現代は「土地を持っていると必ず値上がりする」と考える人はいません。
代わりに、土地の価値はその土地を利用した結果生まれる収益により評価しようとする考え方が一般化してきました。
売るか持ち続けるかの判断を“収益性”から考えてみると答えがあります。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。