マンション売却の流れや注意点など紹介します
転勤やマイホーム購入、離婚、相続など、マンション売却の理由はさまざまです。
すぐ売りたいと思っている方も、売ろうか迷っている方も、マンション売却に次のような疑問・不安があるのでは。
- マンションってどうやって売るの?
- マンションが売れなかったらどうしよう?
- とにかく失敗せずマンションを売りたいけど、何に注意したらいいの?
ここではマンション売却を検討中の方に向けて、売却の基本的な流れ・売却時に知っておきたい注意点をお伝えします。
また「マンションの1階は売れないって本当?」「マンションは売るべき?貸すべき?」などの疑問も解決。売却に関する不安を取り除いていきましょう。
まずはマンション売却の流れを見てみよう
マンション売却は基本的に、次のような流れで行われます。
- 査定で、物件価格の目安を確認する
- 不動産会社と媒介契約する
- 売却活動が行われる
- 購入希望者と、価格などについて交渉する
- 購入者と売買契約する
- 手付金を受け取る
- 残代金を受け取る
- 物件の引き渡しを行う
具体的な手順・各手順についての注意点などは、別カテゴリー「不動産売却の流れを分かりやすく解説!」をご覧ください。
では次の章から、マンション売却のコツ・注意点を見ていきましょう。
【1】マンションの売却期間は3~6カ月!長期化・売り急ぎは良くない
マンションがいつまでも売れないと「売れ残り物件」という印象がつき、ますます売れにくくなってしまう恐れがあります。
またマンションは所有しているだけで管理費などが発生するため、売却期間が長期化するほど出費も増えてしまうのです。
マンションの売却期間はどんな場合に長く(短く)なるのか、売却期間が延びそうな場合はどうしたらいいかなどは、次の記事で解説しています。
【2】マンションの売り時・築年数ごとの売れ方を知っておこう
マンションには売り時があるため、売却のタイミングを見極めることも大切です。
需要が高い時期・高額で売れる時期を知っておけば、より良い条件で売れる可能性もあります。
逆に売り時を気にせず売却すると、売却時期によっては売れづらくなる恐れも。「いつ売っても同じ」と考えず、計画的に売却しましょう。
マンションの売り時は、主に次のとおりです。
- 春の引っ越しシーズン
- 秋の転勤シーズン
- その地域で再開発が行われる時期
- 道路拡張や新設整備が行われる時期
- 学校などが移転してくる時期
マンションの売り時については、別記事「マンションの売り時はいつ?需要・築年数から見極め、好条件で売却!」を参考にしてください。築年数ごとのマンションの売れ方については、「マンションの築年数は売却にどう影響する?価格の変動・注意点を解説」で解説しています。
ではマンション売却の準備段階となる、相場価格や売却費用、書類の確認について、注意点をお伝えしていきます。
【3】マンション売却の前に、相場価格を確認しておこう
売ると決めている場合も、売却を検討中の場合も、マンションの相場価格・売却にかかる費用は把握しておくべきです。
マンションの価格の目安は、不動産会社に査定してもらうのが一般的です。しかし「売ると決めたわけじゃないから、依頼するのに抵抗がある」という場合は、自分で調べることもできます。
相場の調べ方については、別記事「不動産の相場を自分で調べたい!売却を始める前にできる4つの方法」を参考にしてください。
マンション売却には不動産一括査定サイトの利用もオススメ!
不動産会社にマンションの査定を依頼するなら、「一括査定サイト」の利用もオススメです。
一括査定サイトなら、一度に複数の不動産会社へ査定依頼することが可能。一括査定には、次のようなメリットがあります。
- 複数の会社を比較し、自分に合ったところを選べる
- 複数の査定結果を見ることで、売却価格の相場を把握しやすい
- 各不動産会社へ申し込む手間が省ける
不動産会社はたくさんあるから、とりあえず近所の有名なところに直接依頼しようと思ってたわ。
別記事「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選してご紹介!」では、一括査定サイトのメリット・デメリットや活用術をお伝えしています。
オススメの一括査定サイトも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【4】マンション売却の前に、かかる費用も確認しておこう
マンション売却には、次のような費用がかかります。
- 不動産会社へ支払う仲介手数料
- 売買契約書にかかる印紙税
- 抵当権抹消登記費用
- ローン完済時の事務手数料
- 不動産譲渡所得税
- 引っ越し費用
「売りに出そう」と決めたときにすべての費用を支払うわけではありません。しかし壊れている場所の修繕などは売却活動開始前に行うため、早い段階で費用を支払う必要があります。
「どのような費用が」「どれくらいの金額で」「いつ必要なのか」を、不動産会社に前もって確認しておくのがオススメです。
不動産売却でかかる費用・戻ってくる費用については、別記事「不動産売却にかかる費用を一覧でチェック!売却で戻ってくるお金も」で詳しく解説しています。参考にしてください。
【5】必要書類を揃えておけば、マンション売却がスムーズに進む
マンション売却に必要な書類は、早めに用意しておくことをオススメします。
マンション売却に必要な書類は、主に次のとおり。
・身分証明書
・実印
・印鑑証明書
・登記済権利書(登記識別情報)
・固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
・管理規約、使用細則など
・維持費などに関する書類
<任意、または不要な場合あり>
・住民票
・ローン残高証明書(ローン返済予定表)
・銀行口座書類
・耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書など
・購入時の契約書、重要事項説明書など
・パンフレットや広告資料
・その他売主保有の証明書
・リフォーム済みの場合は、その図面など
マンションの権利書を紛失したときの対処法については、次の記事で解説しています。
【6】マンション売却は、不動産会社選びが成功のカギ!
不動産会社の仲介でマンション売却を行う場合、どの業者と媒介契約するかで結果が大きく異なります。
不動産会社を選ぶ際のポイントは、主に次のとおりです。
- マンション売却に強い業者を選ぶ
- 営業担当者の態度・仕事ぶりを見る
- 大手と中小どちらが適切か判断する
営業担当者の態度や仕事ぶりが気になった場合は、担当の変更を検討する必要があります。
また大手企業だけでなく、中小企業でも「その地域の売却に強い」など魅力的な会社が見つかる可能性も。それぞれのメリット・デメリットから、自分に合うほうを選ぶのがオススメです。
詳しい調べ方については、別記事「かしこい不動産会社の選び方!売却前に知りたい3つの判断ポイント」でお伝えしています。
マンション売却の様々な悩み・疑問についてケース別に説明します
マンションを売却する際、次のようなケースで悩む方も多いのではないでしょうか。
ケース別に、マンション売却のコツ・注意点・困ったときの対処法などを見ていきましょう。
<1>マンションが売れないときの対処法&すぐ処分する方法!
しかし売れない原因・対処法を前もって知っておくと、売却時の不安が軽くなりますよ。
マンションが売れない場合、次のような原因が考えられます。
- 興味を持ってもらえるような物件情報でない
- 需要がない
- 売出価格が高すぎる
- 管理費などの滞納がある
- 不動産会社の売却活動が不十分
- 囲い込みされている
このような場合は内覧(内見)に来る人もなかなかいないため、実際の物件がどんなに良くても売却が難しくなってしまうのです。
マンションが売れないとどのようなデメリットが生じるのか、売れない場合どうすればいいのか詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
<2>マンションの1階はメリット・ターゲットをおさえて売却!
マンションの1階は、次のような理由で「売れにくい」と言われています。
・日当たりが悪い
・眺望が悪い
・プライバシーを守りづらい
・防犯面で不安に思われやすい
・水害の影響を受けやすい
・騒音や排気ガスが気になりやすい
しかしマンションの1階には次のようなメリットも。
- 水回りトラブルや騒音で、他の住民に迷惑がかかりにくい
- 落下事故などのリスクが低い
- 入口から部屋への移動・運搬がラク
- 物件によっては専用庭がある
- 災害時の避難が簡単
マンションの1階が売れないとされる理由・売却時のコツについては、次の記事を読んでみてください。
<3>マンションは売却と賃貸どちらがオススメ?状況に応じて判断を
方法 | 特徴 |
---|---|
売却 | <メリット> ・売却益を得られる ・維持費や管理費などの支払いがなくなる ・ローンを完済できる可能性がある ・売却時に戻ってくる費用がある <デメリット> ・ローンを完済できない恐れもある ・売却期間が延びるほど売れづらい |
賃貸 | <メリット> ・不労所得が得られる ・分譲マンションは賃料が比較的高い ・節税できる <デメリット> ・管理や修繕の責任が続く ・入居者がいなければ収入が得られない ・クレームやトラブルに対応しなければならない ・二重ローン※の場合は審査が通らない場合も |
また売却と賃貸では、利益やかかる費用も異なります。売却価格や賃料、費用の目安なども考慮する必要があるのです。
マンションを売るか貸すか迷った場合の考え方については、別記事「マンションを売るか貸すかは、長所・短所や収支バランスから考えよう」で詳しく解説しています。迷っている方はぜひご覧ください。
マンション売却の検討はお早めに!一度貸すと安くなるので要注意
しかしマンションは基本的に、築年数が古くなるほど価格は下がるもの。
再度住む予定がないのなら、早めに売却を検討するのがオススメです。
マンションを貸せば、定期的に不労所得を得られます。しかし所有している限り費用はかかりますし、一度貸したマンションは売却時に値段が下がりやすいです。収入・支出をしっかり確認したうえで検討しましょう。
当サイトでは不動産売却に関する様々な基礎知識・売る際のポイントについて解説しています。ぜひ参考にしてください。
「マンションを売りたい!」と考えることはあっても、いろいろ調べることが多くて踏み出せないという意見をよく耳にします。
ですが、実際に大切なのは「自分がなぜマンションを売りたいのか」を整理すること。
そうすれば「いつ、どうやって動くのか」「どんな知識や準備が必要なのか」ということがより明確になります。
4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。