土地の売却の流れや注意点など分かりやすく解説!
この記事では、次のような疑問を解決。
・土地売却はどんな流れで進むの?
・土地売却では費用がどれだけかかるの?
・土地を売るときの注意点は?
・できるだけ高く売るにはどうすればいいの?
・売りにくい土地はどうすればいいの?
これから土地売却を始める方や、今土地を売却中の方はぜひご覧ください。
使わない土地は売却か活用か?収益が得られる土地でなければ売却を
土地を所有する限り、地主は固定資産税を払い続けなければいけません。場合によっては、土地の管理費もかかります。
また土地活用にも費用が必要。活用方法にもよりますが、初期費用と管理費で数百万円~数億円にのぼることがあります。「土地信託」であれば自己資金0円でプロと土地活用が可能ですが、信託会社に断られることも。
そのため次の場合であれば、売却が得策といえるでしょう。
土地を所有しつづけるデメリットに関しては、「損害賠償につながる可能性も?いらない土地を持ち続けるデメリット」をご覧ください。
また土地活用や土地信託に関しては、次の記事で詳しく紹介しています。
土地売却の流れを説明!はじめに把握しておくと未経験でも安心です
土地の売却は長期に渡ることが多く、いくつも工程を踏む必要があります。
そのため売却経験がない方は、ハードルが高いと感じるかもしれませんね。
土地売却は、次のような流れで進みます。
では手順を詳しくみていきましょう。
【土地売却の流れ1:測量図の用意】トラブル防止には確定測量図を
測量図は、土地の売却において原則必須です。
土地の位置や形状、面積などを機器を用いて精密に測定し図面におこしたもの。
測量図には「確定測量図」「現況測量図」「地積測量図」の3種類があります。
- 正確な面積がわかるので価格を決めやすい
- 隣接地との境界トラブルを防止できる
土地によっては、1㎡違うだけで土地の値段が大きく異なる場合も。また隣地との境目をはっきりしておくことで「近隣トラブルのない土地」として売り出せます。
測量図を作成する費用や、測量図がなくていいケース、測量図の作成手順などについて詳しくは、次の記事をご覧ください。
【土地売却の流れ2:土地の価格相場を調査】一括査定サイトが便利
売りたい土地の価格相場を調べる方法には、次の2つがあります。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 自分で調べる
不動産会社へ査定依頼をすれば、手間を掛けずに「土地がどれくらいの価格で売れそうか」の目安を知ることが可能です。
複数の不動産会社を比較したい場合は、一括査定サイトの利用がオススメです。
一括査定サイトはたくさんの不動産会社のなかから、自身にピッタリの業者を無料で紹介してくれるマッチングサービス。面倒な依頼が一度で済みます。
不動産の査定について詳しくは、次の記事をご覧ください。
不動産の一括査定サービスについては、「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選してご紹介!」の記事も確認してみてくださいね。
土地の相場は、インターネットの不動産情報サイトを使って調べられます。
土地の相場を調べられる情報サイトは、次の通り。
情報サイト名 | 調べられること |
---|---|
レインズ・マーケット・インフォメーション | 過去に取引された、近隣物件の成約価格 |
不動産取引価格情報検索 | 過去に取引された、近隣物件や土地の成約価格 |
国土交通省地価公示・都道府県地価調査 | 国や都道府県が公表する、適正な地価 |
不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホーム、HOME’Sなど) | ・近隣物件や土地の売出し価格 ・土地価格相場 |
それぞれのサイトの活用方法は、次の記事を参考にしてください。
【土地売却の流れ3:不動産会社と媒介契約】契約内容の確認を
不動産会社とのトラブルを防ぐため、契約内容をよく理解したうえで、媒介契約を結ぶことが大切です。
不動産会社との媒介契約には、次の3つの種類があります。
専属専任媒介 |
・売主は1社しか契約できない ・契約期間3カ月 ・業者は売主に週1以上の報告義務 ・レインズ(※1)の登録義務 ・売主の自己発見取引(※2)は禁止 |
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専任媒介 | ・売主は1社しか契約できない ・契約期間3カ月 ・業者は売主に2週間に1回以上の報告義務 ・レインズの登録義務 ・売主が自己発見取引する場合、業者に通知しなければならない |
一般媒介 | ・売主は複数社と契約できる ・契約期間の法的な定めなし(※3) ・業者の活動報告は任意 ・レインズの登録は任意 |
それぞれ媒介契約のメリット・デメリットや契約前の注意点については、次の記事を参考にしてください。
【土地売却の流れ4:売却開始・交渉】値引きの境界点を決めておこう
不動産の売出価格や販売方法は、媒介契約時に担当者と話し合って決定します。
販売活動はおもにインターネットの不動産情報ポータルサイトや、新聞折込チラシへの掲載が中心です。
値引きをしすぎると、売値が土地の適正価格から大幅に下がったり、土地のローンの不足金を自費で補ったりすることに繋がります。
買主はできるかぎり、安く土地を買いたいと考えるでしょう。販売中に売主は「この値引き交渉を断ったら買ってもらえないかもしれない・・・」といった、焦りや不安を感じることがあります。そのため値引きの境界点を決めておくことも、大切なポイントです。
【土地売却の流れ5:売買契約、決済】書類に不備がないか確認を
購入希望者が現れて、売買価格を含めた条件が合意できたら、いよいよ売買契約の締結に移ります。
土地の売買契約において扱う書類は次のとおり。
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 登記権利証または登記識別情報
- 印鑑証明書
- 住民票
- 本人確認書類
- 固定資産評価額証明書(固定資産税納税通知書)
- 土地測量図、境界確認書
- 地盤調査報告書
- 銀行口座書類
- ローン残高証明書
とくに契約書の確認は重要です。
締結(契約)内容に不備や漏れがあると、売買が取り消されるだけでなく、最悪の場合、損害賠償を請求されることにもなりかねません。
売買契約書の重要性について詳しくは、「個人で土地を売買すると、契約書などの書類作成を自分で行う必要がある」を確認してください。
「問題があった場合にどう対応するか」「どうしたら契約解除となるのか」という点をきちんと確認したうえで、契約を交わすようにしましょう。
【土地売却の流れ6:引き渡し】ローンの残債があるなら抵当権抹消を
まずは売買契約の締結から、不動産を引き渡すまでのスケジュールを確認しましょう。
- 売買契約の締結
- 仲介手数料の支払い
- 抵当権の抹消手続き
- 不動産の引き渡し
- 譲渡所得の確定申告
売買契約後から不動産の引き渡しまでの期間は、約1カ月から2カ月といわれています。
ローンが支払われなくなった場合に、お金を貸した金融機関が対象不動産を競売にかけて、その売買代金からお金を回収できる権利のこと
抵当権を抹消しないまま売却すると、もし返済できなくなった場合に、債権者から競売にかけられてしまい、買主の所有権が失われる恐れがあります。
引き渡し後のトラブルを防ぐために、売主と買主できちんと話し合っておきましょう。
【土地売却にかかる費用】仲介手数料は土地売却の必要経費と考えよう
土地売却では次のような費用がかかります。
おもな費用 | おおよその費用 |
---|---|
測量費用 | 30~80万円※1 |
仲介手数料 | 売買代金による |
印紙税 | 売買代金による(200円~48万円) |
登記費用 | 3~10万円※2 |
譲渡所得にかかる税金 | 売却益の約20%※3 |
不動産売却における費用について詳しくは、次の記事でも紹介しています。
仲介手数料の計算は少し複雑ですが、土地の代金が400万円超えであれば次の計算式で算出できます。
たとえば売買価格が1000万円の場合、仲介手数料は36万円(+消費税)です。
不動産会社の仲介手数料について詳しくは、次の記事でも解説しています。
個人での土地売買におけるメリット・デメリットは、次の記事をご覧ください。
土地を売るときの注意点を、手順別に説明!売主がきちんと確認を
慣れない土地売却は、つい業者に頼ってしまいがち。
しかし売主が何も知らないままでは、トラブルが起こることもあります。
土地を売る手順 | 注意点 |
---|---|
1.売る土地の調査 |
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2.不動産会社の決定・契約 |
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3.販売開始・交渉 |
|
4.締結(契約)・決済 |
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5.引き渡し後 |
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土地を売るときの注意点について詳しくは、次の記事で紹介しています。一度確認しておきましょう。
土地を高く売るポイント2つ!買主目線で土地の状態をチェックしよう
- 整地で見た目をキレイにする
- 地盤調査で地盤の安全度を証明する
それぞれ費用はかかりますが、かかった費用を販売価格に上乗せすることで相殺できます。
整地や地盤調査の費用、メリット・デメリットに関しては、次の記事でも詳しく紹介しています。
また自分の土地をどうすれば高値で売れるのか、不動産会社や不動産コンサルタントに相談してみてもいいですね。
売りにくい土地はどうすればいいの?土地売却における疑問を解決!
詳しくみていきましょう。
更地にすると固定資産税はどうなるの?最大6倍にまであがります
宅地には固定資産税をなるべく減らすための特例措置が図られるため、更地に比べて税負担がかなり抑えられているのです。
たとえば小規模住宅用地の特例が適用される場合、課される固定資産税額は本来の1/6まで減額されます。
空き家のなかでも放置などによって、周辺住民に悪影響を及ぼす恐れのある住宅のこと
また空き家の放置は近隣へ迷惑となる可能性があるので、できるかぎり避けましょう。
「土地の固定資産税の仕組み」や「更地の固定資産税を軽減させる方法」については、次の記事を参考にしてください。
特定空き家の固定資産税については、次の記事でも詳しく解説しています。
土地が遠方などで管理が難しい場合、「空き家管理サービス」の利用も便利です。詳しくは次の記事をご覧くださいね。
田舎の農地や山林を売る方法は?「農家に売却」or「転用して売却」
いずれの方法も、市町村の農業委員会から許可がおりないと売却できません。
農地の売買方法について詳しくは、次の記事でも詳しく紹介しています。
また農地は、農家へしか売れません。その場合は「農地バンク」の利用が便利。詳しくは次の記事も参考にしてくださいね。
山林をどのように売ればいいかは、山林専門の不動産仲介業者に相談しましょう。
山林を売却する流れや費用、税金などについては、次の記事をご覧ください。
売れない土地は生前贈与がお得なの?多くは相続のほうがお得です
- 相続のほうが非課税枠が大きい
- 贈与にかかるコストが高い
そのため相続と生前贈与のどちらにすべきか、きちんと考えることが必要です。
そのほか、売れない土地の扱い方については次の記事も参考にしてください。
使う予定も収益性もない土地は売却の検討を!専門家に相談しよう
土地は放置するほど固定資産税などの維持費がかかるうえ、管理の手間も必要。また土地神話というものがあったのは昔の話で、今は土地を所有し続けても値上がりは厳しいケースが多いです。
現代では「田舎の土地を売って都心のマンションを購入」「大きな土地を売って子どもに資産分散」といった、資産の組み換えを行うひとも増えてきました。
土地にこだわるのではなく、資産の扱い方にこだわるのです。
もちろん、思い入れのある土地ほど「きちんとした買主を探したい」「高値で売りたい」と思いますよね。そんなときはひとりで悩まず、不動産会社などの専門家へ相談しましょう。
また当サイトでも土地の売却に限らず、空き家の扱い方や住宅ローンについての記事なども記載しています。ぜひ読んでみてくださいね。
ひと口に「土地売却」といっても住宅用地から工業用地や商業用地、山林や農地など立地条件や用途により、簡単に売れる場合もあれば何年もかかるケースもあります。
売却を依頼するときには、不動産会社に売却できるまでの期間の目安を聞いてみるとよいでしょう。
「まだ売れないの?」と気にかけるのはストレスの原因です。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。