株式投資をはじめよう!誰でもわかる基礎知識とあなたに合った勉強法
銀行にお金を預けても低金利な現代。10年20年と長期にわたって預金を続けても、資産を増やすことは難しいでしょう。しかし株式投資なら銀行の金利以上のリターンを稼げる可能性があります。
ですが株式投資にリスクはつきもの。何も勉強せずに手を出すと、資産を増やすどころか、損失を被ってしまう恐れも。
このカテゴリーではこれから株式投資を始めるにあたって、何から学べば良いのか、どんなことをすれば株式投資ができるのか、初心者向けにわかりやすく解説していきます。
そもそも株ってなに?はじめてでもわかる株式投資の仕組み
株式投資における株とは、そもそも一体何なのでしょうか?
株(株式)とは、株を発行している会社のオーナーの一人になるための権利のことです。会社は株を発行し、それを投資家に売却をすることで資金を募ることができます。
ほかにも株主には次のような権利があります。
- 保有している持ち株数に応じて利益配分を受ける権利
- 株主総会に参加できる権利
- 会社が解散した場合、残った資産から持ち株数に応じた資産を受ける権利
株の仕組み
そもそも株式とは、会社が資金を集めることを目的に発行するものです。
会社が新しいビジネスを始める場合、莫大な資金が必要になります。この資金を独力で集めようと思った場合、時間がかかります。しかし、株を発行し、投資家に売却をすることで、ごく短い期間で資金を集めることができます。
投資家は株を購入して株主になることで、会社から配当金などの利益を受け取ることができます。
会社は資金作りのために株を発行し、投資家はより多くの利益を求めて株を買うのです。
投資信託との違いとは?
株と投資信託は、一見すると似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか?
投資信託とは、ファンドなどの運用のプロにお金を預け、資産運用を投資家の代わりにやってもらい、運用益が出たら投資家に還元するというシステムの金融商品です。
この2つには、投資先やコスト、インカムゲインなどにおいて相違点があります。
- 投資対象先の数
- コスト
- インカムゲイン
投資対象の数
株の場合、株を購入すると、特定の企業にしか投資ができません。しかし、投資信託の場合、様々な対象に分散して投資をすることになるので、リスク分散ができます。
万が一、企業が破綻したら投資家はリスクをすべて受けなければなりません。もし複数の対象に分散投資をしているれば、ひとつの企業が破綻したとしても、ダメージが少なくて済みます。
つまり株式投資よりも投資信託の方が、リスクが低い金融商品であると言えるでしょう。
コスト
投資信託を保有すると「信託報酬」と呼ばれるコストが常に発生します。このような費用は株式投資ではかかりません。そのため投資信託より株の方がコストは低いと言えます。
インカムゲイン
株には配当金、投資信託には分配金と呼ばれるインカムゲインがあります。企業の利益を還元してくれる配当金と違って、分配金は利益が出たから還元してくれるというわけではありません。
投資信託の分配金の資金源は、ファンドの純資産です。そのため分配金を出せば出すほど基準価額は下がっていきます。
しかし配当金は事業の成功による利益を還元するという仕組み。出したからといって株価が落ちるということはありません。
株を売買するメリットとデメリットは?
株を売買すると「配当金や優待がもらえる」「売却益を稼げる」などのメリットがあります。
権利確定日まで株を保有していた株主に対して、商品やサービスなどを贈る制度のことです。配当金が現金であるのに対し、株主優待では自社の商品やサービス、金券などが贈られることが多いです。
会社が株主に対して支払う利益のことです。会社が事業に成功し、利益が出ると、その利益の一部を投資家に配当金という形で還元することになります。そのため、利益が出ないと、配当金が出ないこともあります。
株を長期保有すれば配当金だけでなく、その企業の優待などがもらえることも多いです。事業が成功し株価が上がった後に売却をすれば、売却益を稼ぐこともできます。
シンプルなメリットがある一方で、株式投資は複数のデメリットを抱えています。
- 初期投資にお金がかかる
- 値下がりすることもある
- 初心者には難しい
銘柄にもよりますが、株を購入するためには最低金額に届くだけの資金が必要です。大手企業の株ともなると、初期投資として10万円以上の資金は必要となるでしょう。
資金を集めて大金を投じても、絶対に値上がりするとは限らないというリスクが株式投資にはあります。もし値下がりをすると価格が落ちた分だけ、損失を抱えてしまいます。
株はいくらから購入できる?
ほとんどの株は10万円から30万円の範囲で、銘柄によっては1万円以下からでも購入できます。
多くの単元(株を売買する際の最低単位)は100株ですが、10株から買えるサービスも。詳しくは次の記事で解説しています。
株は副業にならない
会社の中には副業を禁止している企業もあるのですが、株取引は副業には含まれません。
法律上、サラリーマンが株取引をしたところで、問題視されることは基本的にありません。もしも副業を禁止されている会社に勤務しているのであれば、株は大丈夫なのかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
副業じゃないとしても、株取引をしていることが会社に知られたくないという人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
株の買い方の手順とポイント
株を購入できるのは証券会社だと知っている人は多いでしょう。ですが実際の買い方はわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは株の買い方や知っていると便利な単語を紹介します。
株は証券会社で簡単に売買できる
オンライン取引に対応している証券会社ならば、証券会社の口座を開設後に入金をするだけで、すぐにでも株を買えます。
有価証券などの売買を引き受けている会社のことで、株だけでなく、投資信託や債券など、金融商品を幅広く取り扱っています。
証券会社の選び方
証券会社を選ぶポイントは複数あります。
- 売買手数料
- 取扱商品
- 取引ツール
- サービス
- キャンペーン
売買手数料とは買い注文や売り注文を入れる時にかかる費用のこと。売買手数料が高いと取引コストが高くなってしまうので注意が必要です。売買手数料は証券会社によって異なるため、証券会社を選ぶときの大きな比較ポイントとなります。
次の記事では各社の手数料を比較しています。証券会社選びの参考にしてくださいね。
買い注文と売り注文について
株の取引をするためには、株の買い注文と売り注文のやり方を習得する必要があります。
株価が上がると思うなら買い、下がると思うなら売ることになるのですが、注文方法には種類があります。
「指値」と「逆指値」の違い
指値と逆指値というのは、価格を指定する注文方法のことです。ただし、指値と逆指値では、内容に違いがあるので注意しましょう。
指定した価格よりも株価が高くなると売却し、指定した価格よりも安くなると購入するという注文方法です。
指定した価格よりも株価が安くなると売却、指定した価格よりも株価が高くなると購入する注文方法です。
指値と逆指値では、注文の方向性が反対になるので注意しましょう。
売買の状況がわかる板情報をチェック
板情報とは、現在の売買の状況をリアルタイムに表した板の情報のことです。
この板情報を見ることで、現在どの価格に対して、どのくらいの注文が入っているのかを知ることができます。
株には注文できる時間帯がある
オンライン取引ができるといっても、株は24時間いつでも売買できるというわけではありません。
株の直接取引ができる時間帯は、平日の午前9時から11時30分までの前場と、12時30分から15時までの後場だけとなります。
注文を出すだけなら、ネット証券会社などを利用すれば24時間いつでも可能です。ただし注文を出しても実際に約定し、売買できるのは前場と後場の時間帯となります。
少額の元手で高額取引が可能になる信用取引
信用取引とは証券会社などから借りて、株の売買をする手法のこと。少額からでも高額の取引ができる他、売りから始めることで価格が下落している時でも利益を得られるなどの特徴があります。
銘柄の選び方や手法を解説
株式投資で成功するためにはチャート分析や情報収集など、さまざまなテクニックが必要です。
成功者から学ぼう!株の投資方法・テクニック
株で成功する一番の早道は、成功している投資家の方法を参考にすること。
成功者の手法は、本やブログなどを読むことで、いつでも勉強できます。例えば、ウォーレン・バフェットのような著名な投資家の手法ともなると、ネットで簡単に調べることができます。
下の記事では、株の成功者の人物像や投資手法について詳しく紹介しています。参考にしてくださいね。
テンバガーとは?上がる株を見つけよう
テンバガーとは金融業界におけるスラングで、10倍株もしくは大化け株のことです。
テンバガー株を見つけるためには、成熟した株は避け、新興株を狙う必要があります。まだ価格が安く、成長性の高い株を購入すると、将来的には株価が高騰し、大化けするかもしれません。
今後、株価が上がるかどうかを見極めるための判断材料というと、決算短信、PER、PBR、ROEなどがあります。
決算短信 | 企業の決算発表の要点が書かれている書類のこと |
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PER | 現在の株価が割安かどうかを知るための指標 |
PBR | 1株あたりの純資産に対して、何倍の価格が付いているのかを知るための指標 |
ROE | 株主資本に対して当期純利益の割合を示した指標 |
これらの指標を見ることで、今後値上がりする可能性が高い株を見つけることができます。特に重要なPERについては「PER(株価収益率)とは?初心者でもわかる割安株の見つけ方」で詳しく解説しています。
テンバガー株を見つけるコツを紹介している記事も用意しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
当日中に取引が完結する売買スタイル「デイトレード」
デイトレードとは、当日中に取引が完結する売買スタイルのことです。購入した株は、その日のうちに売却することになるので、1日で損益が確定します。
数日から数週間以上、株を保有するスイングトレードの違いやそれぞれのメリットは別記事で説明しています。
「外国株」ってどんな株?
外国株とは海外の会社の株のことです。
外国株を取り扱っている証券会社を利用すれば、国内にいながらでも外国株を売買できます。ただし、現地の税金が発生するため、外国株の売買をする場合、二重課税となります。
国内株と異なるメリットがあると同時にデメリットがあるのも事実。次の記事を参考に慎重に投資してくださいね。
ミニ株なら少額から購入可能
ミニ株とは単元未満株を購入するための制度です。ミニ株を利用すると、本来であれば最低額が高い株であっても、少額から購入することができます。
少額から投資を始めてみたい人におすすめのミニ株についても詳しく取り上げていますよ。
魅力がいっぱい!IPO株
IPOとは、未上場の会社が株式を新規に公開し、証券市場で株の売買ができるようにすることです。IPO株は値上がりする可能性がとても高いと言うことで、投資家から人気があります。
「IPO投資とは?IPO株の仕組みとメリット・デメリットを解説」ではIPO株の買い方を紹介しています。
IPOの当選確率を上げたい人は次の記事も参考にしてください。
時間がない人必見!株の自動売買
株の自動売買とは売買をシステムに任せ、自動で取引をすることです。
自動売買ならば、24時間常にシステムに取引を任せることができるので、普段は仕事が忙しくて取引に参加できないという方でも、株の売買ができるようになります。
次の記事では、メリット・デメリット双方の面から自動売買を解説しています。
株価チャートを利用したテクニック
株価チャートとは、株価の過去の動きをグラフ化したもので、一見しただけで現在の株価の動きの方向性を知ることができます。
この株価チャートを見て、今後の動きを予測する手法、いわゆるテクニカル分析を行うことができます。
株価チャートの詳しい見方は「株価チャートの見方を画像つきで解説!ローソク足を分析に活かそう」の記事で画像付きで紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
テクニカル分析とは?チャートを見る理由とは?
テクニカル分析とは、株価チャートを見て今後の動向を分析する手法のことです。
株価チャートをただ漠然と見ても、あまり意味はありません。テクニカル分析の技能を習得して、はじめて株価チャートを見る意義を見出すことができます。
テクニカル分析の手法を株価チャートに応用すると、株価は今後上昇するのか、それとも下降するのかなど、今後の動きを把握しやすくなります。
テクニカル分析を利用する理由やメリットは下の記事を参考にしてくださいね。
株価の今後の値動きを予測するための手法、ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析とは、その企業の財務状況や業績などの指標をヒントに、株価の今後の値動きを予測するための手法です。
テクニカル分析とは対称的な手法で、長期投資を前提とした分析方法となります。
将来の値動きを分析したい人はぜひこの記事をチェックしてみてください。
株式投資と税金・確定申告の関係
株式投資を始め、運用益が発生すると、税金が課税されます。
利益を得ている以上、税金を納めなければならず、確定申告の義務が発生します。ここでは税と株との関係について解説します。
証券会社の口座の種類の一つ「特定口座」
特定口座とは、証券会社の口座の種類の一つであり、選択すると確定申告の手続きが簡単になります。
源泉徴収なしの特定口座なら、証券会社が投資家に代わって年間取引報告書を作成してくれるので、確定申告の手続きが簡単になります。
自分に課税義務はある?株式投資の課税対象
株式投資の課税対象というと、サラリーマンなどの給与所得がある方の場合、年間で20万円以上の利益があると、確定申告をする必要があります。
学生や主婦などの扶養者の場合、株で38万円以上の利益が出ると、確定申告をする必要性が生じます。
利益が20万円を越えたら、課税対象になると考えておきましょう。
株式投資で確定申告するべき人、しなくていい人の違い
課税対象となった以上、確定申告をする必要があります。ただし、源泉徴収ありの特定口座を使用している方や、NISAで非課税枠の範囲内で運用をしているという方に限り、確定申告は不要になります。
もしくは、利益といっても配当金しかもらっていないという方の場合、配当金の税金は源泉徴収されているため、確定申告は不要になります。
確定申告の流れや課税については次の記事を参考にしてくださいね。
NISA(少額投資非課税制度)で賢く株式投資
NISAは「株や投資信託などの運用益にかかる税金を非課税にできる制度」です。
非課税といっても、上限がありますので、無制限に税金が無くなるわけではありません。年間120万円まで、投資にかかる税金が非課税となります。
NISAのメリットと仕組み
NISAのメリットは税金を非課税にすることで、投資効率を上げることができる点。非課税枠は年間で120万円までで、非課税期間は5年間となります。
この範囲内においてNISAでは譲渡益や配当金にかかる税金が非課税となります。
NISAでも外国株の売買は可能
NISAでも外国株の売買はできますが、外国株を取り扱っている証券会社でないと、売買はできないので注意しましょう。さらに、NISAで外国株の取引をした場合、外国税額控除が適用されないので、気を付けてください。
NISA口座はどこで保有できる?オススメは?
NISA口座は一人一口座まで持つことができます。証券会社などの金融機関でNISA口座を開設しましょう。取扱商品が豊富で手数料が安い証券会社がオススメですよ。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- 「NISA(ニーサ)とは?仕組みとともにメリット・デメリットを解説」
- 「NISA口座を開設するには?金融機関の選び方や開設までの流れ」
- 「NISAでも外国株の売買はできる!運用時の課税と控除の注意点」
株式投資で勝つために!テクニックを駆使しよう
株式投資は成功すれば資産を増やすことができる投資です。他方で、損失が出るリスクもあります。
運用を始める際には、どうすれば利益が出るのか、やり方を勉強しましょう。
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を学び、成功している投資家のやり方を勉強すれば、成功率の高い安全なやり方で株式投資を始められるでしょう。